まず、心理描写がとても丁寧。囲碁の天才だった藤原佐為は、平安時代に死んだが、魂だけは現代にとどまっていて、なぜか自分の姿が見える主人公のヒカル(小学生)に憑依する部分はファンタジーであるが、「もしこの状況なら確かにそう感じるよな」と思う場面が何度もある。
主人公のヒカルは囲碁に関して全くの素人だったが、佐為に強くせがまれたのでしょうがなく囲碁を打てる場所(碁会所)に行く。
そこでヒカルは自分と同い年くらいの少年を見つけ「同じ子供だし」ということで囲碁の対戦を申し込み、佐為に打たせようと考えた(佐為がどこに打つか指示し、ヒカルが物理的に石を置く)。
ところがその少年は日本一のプロ棋士の父に毎日囲碁を教わってきたプロ並みの実力を持つ少年だった。
それ知らずにヒカルはその勝負に勝ってしまう。
周りはもちろんその少年(アキラ)はひどくショックを受けた。毎日最高の環境で地道に努力を積み重ねてきたエリートのはずが、専門用語も知らない、石の打ち方さえままならない同い年のヒカルに負けてしまったからだ。
一方ヒカルは佐為の影響で自分も囲碁に興味を持ち始めた。そんなある日、とある大会に出たヒカルは佐為の実力のおかげで大注目なのだが、周りの賞賛の声はヒカルには届いていなかった。「みんな佐為を見てるんだ」「俺じゃなく、佐為がすごいんだ」という気持ちでいっぱいだったからだ。
そして中学生になったヒカルは自分の囲碁、ヒカルの碁を打つべく、囲碁部に入り次の大会に向け練習を始める。なんとその大会にはあのアキラ(プロ並みの少年)が出ていた。アキラほどの実力者は部活レベルをはるかに超えているので、本来であれば入部やアマチュア大会への参加はよく思われない。しかし、アキラはそれでもヒカルとまた戦いたかった。そんなアキラの熱意を受け取り、ヒカルは佐為に打つように頼む。下手な自分では相手にならないので申し訳なく思ったからだ。しかし試合中盤、佐為が長考しているときにヒカルは自分の思う一手をどうしようもなく打ちたくなり、自分で打ち始めてしまう。
独創的な一手であったがそれに続く技術がないヒカルは盤上で一気に差をつけられてしまう。アキラは必死の思いでやっと漕ぎ着けたヒカルとの試合であったにも関わらずヒカルの手腕が前回よりも遥かに下回っていたので、ふざけていると勘違いし激怒し、、、、、、、、、、、、、
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主人公ヒカルと、ライバルのアキラ以外のキャラも噛めば噛むほど味が出るスルメのようなキャラばかりです。ぜひ見てみてください。
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