大学数学は「抽象的」だから、、ってどゆこと?【学部選び】

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↓の記事の続編のつもりで書きました。ぜひ参考に。

まず、数学で「抽象的」は「一般的」と言い換えても大抵意味は通ります。

数学の中でも抽象的かどうかの度合いは違いがあります。

1+2=3 よりも n+2n=3n の方がより抽象的(一般的)であり、n+2n=3nよりもペアノの公理(自然数を定義する公理)の方が抽象的(一般的)です。
1+2=3には日本語は一文字もありませんが、ペアノの公理には日本語の文字がたくさんできます。(数学の記号だけで書くこともできますが)

積分ひとつとっても、
高校「細切りの範囲を、びゃ〜って集めたら面積でしょ?。んで、計算は、、、」
大学「高校で習うのはリーマン積分といって、それでは積分できない関数が当然ありますが、これから(大抵数学科3年)習うルベーグ積分では今まで積分できなかった関数を積分できるようになります(満面の笑み)。もちろんルベーグ積分できない関数もありますが。関数が連続の時はルベーグ積分はリーマン積分に一致しますし、不連続でもリーマン積分可能の場合もありますが、その場合は不連続点が『あまりにたくさんある』と都合が悪くなります。え〜、この『あまりにたくさんある』と言うのは、、、、、」(数学科以外で本格的に積分論は習わないはずです。工学系志望のあなた、そんなに落ち込まないでください。)

内容が長いので「その」「この場合」みたいな代名詞がよく使われることも「大学の数学は哲学・国語みたい」と言われる一因でしょう。(ちなみにペアノの公理は大学で習わないとこが多いと思います)

また、もう少し俯瞰すると(マクロな視点で説明すると)
心理<経済<生物<化学<物理<数学
の順に抽象度が高くなると説明されるとこがあります。
ここからは若干持論気味ですが、「抽象度が高くなる」は「ノイズを除去していく」に言い換えれると思います。
と言うのは、例えば、社会心理学では、社会に影響される心理の研究を行いますが、経済学では細かい心理の部分はノイズになるのである程度無視してモデルや理論を作ります。
物理なら理論で立てた仮説を実験で証明したいのですが、理論の時点で現実のノイズを全て考慮するのは現実的に不可能なので、近似したりするわけです。それでも、あくまで実験データに基づいたりできますが、(純粋)数学では公理にしか基づけません。(数理モデルとかは現実のなんかのデータに基づいて作りますが、それは「数理」とあるように、数学っぽいモデルも物理っぽいモデルも化学っぽいモデルも色々あるので省略します)

よく、未来のテクノロジーとかの話で「数学の壁」「物理の壁」「経済の壁」みたいな言葉を耳にします。
これは、「数学的に(理論として)可能かどうか」「物理的に(実際に)作れるかどうか」「コストが高くなりすぎないか(利益が出せるか)」みたいな感じです。数学の壁を理論物理の壁、物理の壁を実験物理の壁と言い換えた方がいい場合もあるでしょう。
説明にピッタリの例としては高精度の天気予報でしょう。
数学:ゼータ関数の何かが分かって(未解決問題の1つリーマン予想)
物理:いい感じに応用して機材とかが作れそうで
経済:コストが現実的であれば
高精度の天気予報が実現するわけです。

また宇宙エレベーターの話で言うと、
まず、地球から月にかけてエレベーターみたいなものを作るのは
数学(理論物理):理論的に可能で(物理法則に反しない)
物理:地球の資源で足りて、また建築作業は可能で
経済:コストが現実的であれば
実現するわけです。

心理:みんながそれを欲しがって
倫理:倫理的に問題がなくて
法:違法でない、または法改正ができて
神:神がお許しになり
みたいな壁も、やはり数理に比べると具体的なので、経済と同様に最後の方の壁になるでしょう。
例えば、当たり前ですが、クローン技術出た”後”に「それ倫理的にどうなん」って話が出ますよね。
生物:人間が死なずに、人体に悪影響はなく
はやはり物理と経済の間にきそうですね。

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